ORIGAMI DESIGN

あなたは”折り紙”で何をつくることができますか?

定番の”鶴”でしょうか、それとも2枚の紙を使い”手裏剣”でしょうか?身近な子供たちを見ていると、”ハート”・”家”・”朝顔”など好きなもののシルエットを表現するものだったり、”船”・”鳥”・”うさぎ”のように立体的に眺め鑑賞するオブジェや、”ピョンピョンがえる”・”パクパク”・”飛行機”に代表される機能的に動く玩具などを楽しそうに作っています。全て四角い折り紙だけで。

私自身がこれまでデザインの道を歩んできた中で、”加飾は絶対的に悪であり削ぎ落とすことが美しいデザインだ”という言葉を何度か耳にしました。岩石や樹木を削り出し生み出す仏像を例に挙げる方もいました。しかし私はその度に疑問に思うのです。”デザインとは最大物からエッセンスを抽出することだけなのか?”と。

私は学生の頃からずっと”デザイン=ユーザーの環境を良くすること”だと考えています。もう少し言うと”ユーザーが困っている(将来困るであろう)ことに対し、今ある条件を最大限に工夫し良い環境へと変化させること”こそが私の考える”デザイン”です。

例えば、所持しているモノが自身の趣向に合わず”困っている”ユーザーに”趣向に合う意匠のモノ”を提供すること、煩雑でわかりにくい作業工程で”困っている”ユーザーに、”シンプルで間違いのない工程”を提案すること、つまり簡単にいうと誰かが困っている場面を笑顔に変えることこそがデザインだと思います。その時に方法は果たして”削ぎ落とす”だけでよいのでしょうか?それは本当に笑顔へとつながるのでしょうか。

折り紙はたった1枚の薄い紙です。ですがその折り方・曲げ方・切り方そして組み合わせ方によって、オブジェにもなり玩具にも道具にも姿を変えます。これをデザイン行為に置き換えてみるとどうでしょう?例えばあるプロジェクトで新しいターゲットユーザーに向けた商品開発をするとします。その際ほとんどの場合、資金や方法は限られ開発条件が決まっています。その”一定の条件下において、目標にどれだけ近づけるか”がデザイン行為ではないでしょうか。全ては”発想と工夫”だと思うのです、まるで使う材料は四角く薄い紙だけでさまざまなものを作り出す”折り紙”のように。

今あるもの・考えられるものを手がかりに発想を飛ばし工夫する、自身のデザインは常に”折り紙”のようでありたいと考えます。


PLOFILE

大学卒業後、デザインオフィスにて携帯情報端末・PC及び周辺機器・AV機器等のデザインに従事。その後生活用品メーカーにて暮らしにまつわる様々な製品のデザイン・企画を行う。現在は建材メーカーのインハウスデザイナーとして多くの住宅関連のプロダクトに携わりつつ、2021年より個人デザインオフィスを開業、業界にとらわれず幅広くデザイン活動を行なっている。

ORIGAMI DESIGN Designer | TAKAYUKI INOUE